広陵高校が甲子園を辞退した問題、どうも良く分からない。
分からないのはこの事件に対する報道機関の姿勢である。事件の概要は「野球部の寮で下級生の規則違反に端を発した上級生による暴力事件が発生し、一旦は高野連の裁定が下って一件落着したが、SNSでの騒動が激化したためそれを鎮静化させるべく、高校が自主的に自らを罰する意味で辞退を決めた」というものだった。
不思議の一つは、下級生の規則違反がカップラーメンを食べる事だったと実に具体的なのに、それに対して上級生が懲罰の意味で加えた暴行の内容が全く具体性を欠いている事だ。某全国紙には「複数の2年生部員(当時)が殴るなどの暴力行為を行った」としか書いてない。
この問題の前半部分を寮内の違反行為とそれに対する懲罰の問題と考えると、その両方のバランスが気になる。もし下級生が大麻を吸っているのが見つかって、それを罰するべく上級生が平手打ちしたというケースだったらどうか。カップラーメンを食べた事に対する懲罰だと、どんな微細な暴力でも釣り合いが取れないから深く追求しなかったのか。
新聞に書いてないので、仕方なくネットで検索すると、被害者側からの訴えによればかなりひどい事が行われたようだ。もしそれが事実ならどうして高野連はあんな甘い裁定を下したのか。問題の後半部分は寮内で起きた事の事実認定と高野連の裁定の妥当性の問題になる。
被害者家族にしてみれば、事実認定と裁定の過程に納得がいかないからSNSで訴えたくもなるのだろう。マスコミは学校の発表だけを記事にするのではなく、関係者への取材を通して真相を探る等の努力をすべきだろう。
新聞には「今後SNS対策が急務だ」などとピンボケのコメントが載っている。自身による真相究明の姿勢こそ急務だろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿