簗氏と道路予算の問題に関し、国交省は予算策定にあたり簗氏からの働きかけはなかったと回答した。ならば何故あのような劇的な変化があったのか、その事に関する説明責任が生ずるのではないだろうか。前例踏襲が基本の官僚機構にあって、前年度から半分以上予算を削減するなんて、余程の事がない限りあり得ない話だ。代議士からの働きかけがあって仕方なかったと回答した方が変な言い訳を考えるより良かったのでは。
簗氏のヤナ部分は、予算をどこかから引っ張って来た訳ではなく、同じ選挙区に割り当てられた一つのパイの分割に当たって依怙贔屓をしただけだからだ。対立候補を推した那須烏山市と那珂川に仕返しをするのでなく、支援してくれた市町村の予算を増額しただけなら、特に問題になる事はなかったのではないか。だって、総理大臣は自分の政策アピールのために対前年比10倍の予算をつけようとしているのだから(当コラム982回「広報」参照)。自分が大事だと思う事柄に予算を引っ張ってくるのは政治家の仕事だと言って良い。
内閣広報室の予算72億円の内、59億円は総理肝入りの投資戦略を自画自賛するアピール動画の制作を民間委託するものだそうだ。もし簗氏が高市総理との太いパイプを活かして「そんな動画を作るより、現在危険なまま放置されている道路の拡幅に予算を使いたいのですが」と直訴し、自らの選挙区に予算を引っ張って来たのなら、彼の株も上がったろう。話題になった市や町の道路予算は確か数千万円程度だった。72億の一部を回すだけで良かったのに。
ロサンゼルスでは野生動物が高速道路を無事に横断出来るように180億円を掛けて専用の橋が作られるそうだ。野生動物も大切かも知れないが、助けが必要な人も沢山いるだろうに。