アメリカとイランの戦争に出口が見えない。戦争は始めるのは簡単だが、終わるのは難しいと言われる。第二次大戦は日本とドイツが壊滅的な打撃を受けてようやく終わった。第一次大戦はドイツ国内で兵士や労働者の反乱が起き、皇帝が退位して終わった。アメリカとイランの戦争も、アメリカの中間選挙の結果が出て終わるのだろうか。
思い出すのはこの戦争が始まった時の高市総理の発言だ。「アメリカの挙動に対する法的評価は国益を考慮しながら行う」というものだ。当時の国際世論はアメリカの攻撃は国際法違反ではないかというのが主流だった。私は高市総理の発言を聞いて大変驚いた。法的評価とは本来損得を超越したものだと思うからだ。国益を考慮しながら法的評価を行うというのは、自分にとって得な事なら無法な事でも目をつむる、と言っているように聞こえる。高市氏は神戸大学の経営学部経営学科のご卒業だから法律にはあまり関心がないのかも知れない。
その流れなのだろうか、ICC(国際刑事裁判所)に対するアメリカの制裁にもあまり関心がないようだが、それよりICCとアメリカのいざこざに関してはルビオ国務長官の態度に首を傾げる。ICCに対するアメリカの主張は「非加盟国の国民を裁く権限はない」というものだ。イスラエルのネタニヤフ首相を犯罪者とする事に我慢がならない故の主張だが、これに対してICCは「加盟国の国内(領域内)で起きた事件に関しては非加盟国の国民も捜査対象」と反論する。パレスチナ自治政府はICCに加盟しているから、そこの無辜の市民を殺害するのは犯罪だと言っている。
マイアミ大学で法務博士の学位を取ったルビオ氏なら刑法が一般に属人主義でなく属地主義である事は先刻承知のはず。それをちゃんとトランプさんに教えて欲しいものだ。