6月1日大分市で起きた自動車事故がテレビの全国ニュースで報道された。88歳の男性が運転する軽自動車が住宅街の道路で歩道に乗り上げ、壁に衝突したというものだ。運転していた男性は病院に搬送後死亡が確認されたが、同乗していた85歳の女性は一命を取り留めた。人的には小さな自損事故に過ぎない。
この報道に接し、私が最初に思ったのは「もし運転手と同乗者が20代であったなら、全国報道される事はなかっただろう」という事だ。
去年の統計では全国で発生した交通事故の内死亡事故は2,495件、つまり毎日約7件の死亡事故が発生している。その内、どれを報道し、どれを報道しないかの選択が行われる。私の見るところ、高齢者が起こした事故は殊更大きく報道される傾向があるようだ。
死亡事故を起こした人の年齢別の統計を見ると、高齢者よりもむしろ20歳未満の人の方が多い。昨今の高齢者に偏重した事故報道は、必要以上に不安を煽り、高齢者に免許返納を促そうという為政者の意向が反映されたものと疑いたくなる。しかし免許を返納してしまったら高齢者は移動手段を何に頼れば良いのか。自転車か。いや自転車は自動車よりもっと危ない。風に煽られて転倒する事もあるだろうし、交差点で自動車に巻き込まれる可能性だってある。そもそも自転車を乗りこなす能力があれば車の運転などたやすい。これから車の安全性能はもっと上がるだろうし、十分に安全運転を心掛ければ良いだけだ。高齢者に免許返納を迫るのは無責任で、貴方達は家でじっとしていなさい、と言ってるのに等しく明らかに高齢者の福祉に反している。