2025年10月21日火曜日

選挙制度

 この原稿を書いている1018日時点で首班指名選挙の行方は未だ確定はしないものの、初の女性総理の誕生が見られそうだ。この原稿が紙面に載る頃には決まっている事だろう。ところで、何かの記事で知ったのだが、国の舵取りを担う総理大臣を決めるこの選挙、立候補制ではないらしい。

普通一般の選挙と言えば、その役職に就きたい人が手を挙げて、複数の候補の中から誰を選ぶか投票するのだが、日本で一番大事な人を選ぶ総理指名選挙ではこの立候補という手続きがない。だから、例えば公明党の議員は一回目の投票で「斉藤哲夫」と書くのが分かっているから、他の野党が揃って「斉藤哲夫」と書いてしまえば、各党による連立協議がまとまっていようがいまいが、斉藤氏が総理大臣になってしまう。本人がそれ程やる気がなかった場合(立候補していない訳だから)でも、皆がその名前を書けば総理大臣をやらざるを得ない。

こんな事で良いのだろうか?まあ、どうしてもやりたくなければ、就任して即衆議院を解散すれば良いのだろうけど。

選挙制度を定めた時には思いもしなかった事態が生じていると言って良いのだろうか。

首長が議会から不信任を突きつけられて議会を解散するのも、制度設計時点ではまさか自身のスキャンダルで首長が不信任される事態は想定していなかったに違いない。首長と議会が政策の違いから対立する事だけしか想定していないからこそ、首長に解散権を与えたのだろう。伊東市の市長が議会を解散したのはそういう意味で誠に恥ずかしい事件だった。

自身のスキャンダルより市政・県政の遂行の方が重要だろうと言うのなら、兵庫県知事のように自らの資質について再度有権者に信を問うのが筋だと思うが、選挙制度を悪用する鉄面皮には恐れ入る。

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