参院選が終わったと思ったらすぐさまその有効性を問う訴訟が起こされた。一票の格差を問題にしたものだ。新聞報道によると参院議員一人当たりの有権者数は最大の埼玉選挙区は最小の福井選挙区の約三倍になるそうだ。
議員の数が人口に比例しないといけないのかどうか、それ自体にも疑問が残るが、仮にそれが正論だとするなら、いっその事人口の少ない県に合わせて人口の多い県の議員数を増やしてしまえばいいのではないか。埼玉選挙区が福井の三倍あるなら埼玉の定員を今の三倍の十八人にする。そうすると当然全体の議員数がうんと増える事になる。
国会議員の身を切る改革というといつも定数削減が問題になる。そうではなくて、歳費全体を削減する事の方が本質だろう。議員数が増えても全体の歳費は増やさなければいい。現在トータル二百四十二人に対して一人三千万円として全体で七十億円強の歳費がかかっているとしてそれを上限とし、定員が倍の五百人になったなら一人当たりの支給を千五百万に減らせばいいだけの話だ。そうすれば都会の議員も自分の給与が減らないよう真剣に地方の活性化や人口の平準化を考えるようになるのではないだろうか。
そもそも今の形での参議院が本当に必要か。本来参議院は衆議院のチェック機能を期待されているはずだ。ならば衆議院と同じように政党が主導する形で意思決定を行う参議院の存在理由は極めて薄いと言わざるを得ない。今の形態の参議院を廃止して、全国知事会議にその役割を担わせたらどうだろう。衆議院が決めた事を各地元の行政を直に担当している立場からチェックし、是非を判断する。当然知事のスタッフである各県職員さん達も勉強する事になるし、参院議員に払っている経費も削減でき、一石何鳥もの解決策に思えるが。
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