2016年9月13日火曜日

イングリッシュ

「マイ・フェア・レディ」という映画がある。ロンドンの下町の花売り娘を上流階級の社交界に出しても恥ずかしくない淑女に変身させようという言語学者の話だ。オードリ・ヘップバーンの演じるその娘は下町の訛りがあって、「エイ」と発音すべき音を「アイ」と言う。例えばスパイン(スペイン)、ライン(レイン:雨)、プライン(プレイン:草原)などで、「スペインでは草原に雨が降る」という言葉を何度も何度も繰り返し正しく発音する訓練を課せられる。
オーストラリアはイギリスの流刑地としての過去を持っているせいか、オーストラリア人の英語には上記と似た訛りがある。会社の英語教室でオーストラリア人が講師になって最初の講義で「訛りがあるかも知れませんがごめんなさい」というので随分謙虚な人だなあと思ったが、実際講義が始まると閉口した。盛んに「トゥダイ」と言う。「To die」にしか聞こえないので意味が分からなかったが次第に「Today」である事が分かった。
こうした訛りはしかし、英語の本場のイギリスではむしろ主流のようで、BBCのテレビを見ていても沢山耳にした。「オリンピックgame」は「ガイム」、「great」は「グライト」、「amazing」は「アマイジング」などなど。私が親しんでいる英語は現地の人からすればむしろアメリカ訛りだと言われるのかも知れない。
ロンドンのホテルは空港近くのかなり立派なホテルだったが、従業員の多くがインド系の風貌をしていて、話す言葉もインド訛りがきつかった。インド訛りを文字で表現するのは難しいが、ちょっと口ごもったような感じ。
今度の旅行で一番印象に残った英語は、リオ五輪の陸上四百メートルリレーの放送の中でアナウンサーの絶叫のような驚きの声、「Japan has got a surprising silver medal !!」だった。

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