神戸の児童連続殺傷事件の犯人酒鬼薔薇聖斗、少年Aに関する本を二冊読んでみた。一つは彼自身が書いて話題になった「絶歌」。もう一つは彼の両親の手記「少年A この子を生んで・・・」という本だ。
前者は奥付を見ると二〇一五年六月二十八日初版とある。もう二年も前の出版なのだ。当時週刊誌で話題になって、読んでみたいと図書館に予約を入れて順番待ちをしたが、二年経ってようやく順番が回ってきた。出版当初はこの本を出す事自体許されないという論調が多かった。公立図書館も購入を躊躇ったのであろう、私が良く行く図書館では唯一豊島区立図書館が一冊だけ用意した。千代田区立図書館も埼玉県立図書館も今も置いてない。後者の方は一九九九年四月の初版。事件から二年後の出版という事になる。
被害者遺族の感情を配慮した積りなのか流石に淳君を殺害したシーンは描かれていないが、野良猫を虐殺する情景は、読んでいて気持ちが悪くなった。この時期同じ屋根の下に住んで両親は全く変化に気が付かなかったというが、そういうものなのだろうか。
逮捕後両親が本人に初めて面会するのは警察署から少年鑑別所に移ってからだが、母親の手記によると面会して最初に少年が発した言葉が「帰れ、ブタ野郎」だったと書かれている。少年は親には会いたくないという自分の意向を無視して鑑定人や家裁関係者が仕組んだ面会にいらだって、面会の最後に「はよ帰れやブタぁ!」と叫んだと言っている。
それにしてもネット情報のいい加減さには呆れてしまう。ネットには少年Aへの誹謗中傷があふれ、彼はのうのうと生きのび、彼が執筆した「絶歌」には、結婚して女の子が生まれたという記述がある、との書き込みがあるが、そんな事は実際には書いてない。ネット情報には要注意。
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