2017年9月5日火曜日

変な日本語

サッカーのW杯出場を賭けた対オーストラリア戦に勝って、ハリルホジッチ監督は「ありがとう ました」と挨拶した。テニスの全米オープンで三回戦出場を決めた大坂なおみ選手は片言の日本語で勝利を振り返った。もっとちゃんと日本語を勉強しろよ、と批難する向きもあるようだが、私はどうしてなかなかたいしたもんだと思っている。
変な日本語、違和感のある日本語というのは日本語の国際化の中で避けられない現象なのだと思う。いつだったか日本女子オープンゴルフ大会で韓国人選手が優勝し、その優勝インタビューで「私はうれしいです。」と発言しているのを聞いて違和感を禁じえなかった。普通なら単に「うれしいです」であってわざわざ「私は」というのは日本語として自然な感じがしない。だいぶ前だが青森産の米「青天の霹靂」が特Aの評価を勝ち取った時、青森県の三村知事は「やりました。うれしいです。」と喜んだ。主語を言わない。これが自然な日本語と言うものだ。
国際化が進む中で変な日本語が次第に主流になっていくのは寂しくも悲しくもある一方で世界への広がりを喜ぶべきかも知れない。
例えば「あなたは日本人ですか」という表現をどう思われるだろう。専門家に言わせればそれは日本語ではない、正しく言うなら「失礼ですが日本の方ですか」であるべきだと。
スマホの翻訳アプリにVoiceTraというのがある。国立研究開発法人情報通信研究機構が研究目的で提供するもので無料で使う事ができる実によく出来たアプリだ。これで「I'm happy」とつぶやいたら「うれしいです」と主語なしで翻訳された。「Are you
Japanese」は残念ながら「あなたは日本人ですか」だったが機械にそこまでを要求するのは無理というものか。
前回のカミングアウトが思わぬ反響を呼び、社会の公器たる新聞は情報の正確性に敏感であるべしとのご批判を頂いた。熱心にお読み頂いている証左として身の引き締まる思いがした。もし不愉快な思いをされたのならお詫び申し上げ、今回より肩書き表記を改めたい。今後とも当新聞ならびに当コラムを変わらずご愛読頂く様お願い致します。

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