中学の頃学校では九つの教科があったと記憶する。英語、数学、国語、理科、社会、通称英数国理社の他に音楽、美術、体育、技術・家庭の四つを加えた九科目。英数国理社は主要五科目とも呼ばれ特別扱いされていた。「主要」という言葉自体、思いあがった言い方だが、ともかく力の入れ具合が違っていた。
ところが、退職して第二の人生に入ると両者の価値が全く逆転したように感じる。
数か月に一度の帰省時一人暮しで、炊事洗濯掃除針仕事を全部自分でやるようになると、技術家庭の知識のなさが悔やまれる。
週に何回かテニスで汗を流しても、年を重ねてから我流で覚えたテニスではどうしても悪い癖が抜けない。若い時に基本を体に叩き込んだ人の美しいフォームを見ると、やっぱり鉄は熱い内に打たないとと思ってしまう。
絵もそうで、旅先でさらさらと風景をスケッチする人を見ると羨ましい。
そして音楽。カラオケやバンド活動など音楽を楽しみにしておられる方は沢山いらっしゃる。先日平田のクリスタル・コーラスという混声四部合唱のサークルにお邪魔した。参加者がソプラノ、アルト、テナー、バスのパートに分かれ綺麗なハーモニーを奏でている。#や♭が三つも四つもついた楽譜をその調に合わせた音階名でメロディーを歌うなんて、普通の素人には出来ない技と思えた。原豊先生という優れた指導者あればこその事だろうが、平田の音楽のレベルは高い。月一回オブジェクトで開かれるジャズで遊ぶ会も併せてこのレベルの高さは、もっと知られて良いのではないか。
教育とは本来人生を豊かにするためのものだ。リタイア後英数国理社はそれにどれだけ貢献してくれたのか。もっともこの拙文を書いているのは国語と数学(論理的思考)のお陰ではあるのだが。
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