連日の新型コロナウィルスの報道に食傷気味なんて言葉を使ったら不謹慎だろうか。コレラとかエボラ出血熱のような重い症状をもたらすものならともかく、せいぜい風邪かインフルエンザ程度の病気にしてはちょっと騒ぎ過ぎにも思える。
そして国立の有名大学がこぞって感染者の受験を拒否するに至っては驚いた。風邪をひいた程度で受験の門を閉ざされたら受験生が可哀そうだ。
かつてエイズという恐ろしい病気が話題を席捲した時には、感染者を社会が暖かく受け入れましょうという動きがあった。空気感染はしないから同じ職場にいても大丈夫、と。しかし同じビルで働いている人の中にエイズ患者がいたとして、ビル内の同じ理髪店に行く事もあろう、理髪店では普通カミソリを使い捨てにはしないから同じカミソリが使われる可能性だってある。そんなの嫌だと言ったら、玉木さんって冷たい人だね、と非難を浴びた。いくら感染の確率が低かろうと一旦感染したら死を覚悟しないといけない場合と、今回の新型コロナウィルスとでは話が違う。
エイズの時は輸血による感染など本当に気の毒なケースもあったという事情もあるが、今回も同じように感染者に対してもう少し寛容であって然るべきではないか。せめて部屋を分けて受験させるなどの配慮が欲しい。
部屋をどれくらい用意すれば良いのか試算して驚いた。2月22日現在国内の感染者数はクルーズ船の人以外で134人。人口約一億人の中での割合を東大受験生一万人に当てはめると0.0134人。百倍に感染者が増えたとしても受験生の中に一人かせいぜい二人の程度だ。年齢別割合を考慮すればもっと少なく、ほぼいないと思って良いのではないか。受験拒否はそこまで読んでの事だったのか。