今年の一月は暖かく、テニスをしていて汗だくになりそうな日すらあった。先日テレビのニュースを見ていたら、今年の一月の平均気温はここ百年で一番高かったとか。その事からアナウンサーは「百年に一度の事が起きた訳です」と地球の気候変化への警鐘を鳴らすかの発言をした。ちょっと待ってくれ。「百年に一度」の事とは、統計的に一%の確率でしか起こらない事を言うのであって、たまたま今年が最高気温だったからそういうのはおかしい。画面に映るグラフを見ると、数年前に二番目のピークがある。ならば数年前にも百年に一度の事が起きた事になる。「百年に一度」の事がそんなに何回も起きては困る。
本当に「百年に一度」と言いたいのなら各年のデータの平均と標準偏差を算出し、今年のデータが平均から離れている度合いが標準偏差と比べて十分大きい事を示さなければならない。実際どうだろうと思って気象庁のサイトにアクセスしてみた。そこには東京の「日平均気温の月平均」が1876年から掲載されている。今年は7.1度でここ数年では最も高いが、遡って見ると2007年に7.6度、1988年に7.7度、などの数値もある。テレビで使われたデータはこれとは別のものなのだろうが、少なくとも東京に関しては今年が特別に「百年に一度」の暖かさだったわけではなさそうだ。
気候変動の問題では議論に使われるデータの信憑性に常に注意しなければならない。環境活動家の大部分は純粋な気持ちなのだろうが、中には自分の経済的利益が目的の人もいると聞く。グレタ・トゥーンベリさんは「大人達は金儲けしか考えてない」と怒りを顕わにするが、自分の仲間にもそういう人がいるかも知れませんよと忠告したい。少なくともあまり露骨に憎しみを表に出さない方が良い、と。
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