2021年5月4日火曜日

県外者

 県外者として肩身の狭い思いを強いられている。

飛行機の早割りチケットを予約した時は第三波が収まった頃で、まさか今のような第四波がすぐに来ようとは思っても見なかった。チケットのキャンセルも出来ず、予定通りの帰省を敢行したが出雲地方の新型コロナへの警戒心の強さに驚いた。東京都心の様子は知らないが、少なくとも私が住む埼玉の田舎の町よりは遥かに強い。羽田空港では搭乗前の検温もなかった。これだけ強い警戒心あればこそ、単位人口当りの感染者数が少なくて済んでいると言う事か。

それにしても県外者が全て保菌者であるかのような報道には違和感がある。ニュースでは新規感染者数の発表と同時にその中で数日以内に県外渡航歴のある人がいたら必ずそれが発表される。県外へ出ることが如何に恐ろしい事かを印象づけるかのように。これが行き過ぎるとアメリカでのアジア人排斥運動に似た事態を招きかねない。

去年の今頃は「正しく恐れろ」と良く言われたがあの言葉はどうなったのか。感染者を犯罪者の如く扱うのも正しく恐れているとは思えない。感染源にでもなったりしたらあたかも殺人でも犯したかのような扱いだ。ウィルスはどこにいるか分からない。細心の注意を払っても感染する事もあるだろう。感染した人に対しては労りや慰めの言葉を掛ける分でも、非難を浴びせる筋合いではない。幕末にはコレラや麻疹が大流行したと聞く。あの時は感染した人に辛く当たるような事があったのだろうか。コレラや麻疹の方が新型コロナより恐ろしい病気のはずだが。

幸い県外者と言っても出雲弁は母国語だし、肌の色も周りと同じでアメリカのアジア人にはならずに済んでいる。ここは部屋の模様替えと庭の草取りに専念する好機と考える事にしよう。

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