某民放のニュース番組で先の参院選の総括をやっていた。保守的政党が票を伸ばした、としてそれらの党の政策を紹介する中で「この党は国防に関してセンシュ防衛を主張しています」という。ほう、保守系にしては珍しいなと思ってフリップを見るとそこには「先手防衛」と書いてあるではないか。「センシュ防衛」と言えば普通は「専守防衛」だろう。先手必勝とばかりに先に攻撃を仕掛けるような意味合いの「センシュ防衛」があるとは思ってもみなかった。
ウクライナ問題を契機に敵基地攻撃能力とか物騒な言葉が飛び交っている。机上の理想論だと笑われる事を覚悟で持論を言えば、須く軍隊とは自国の防衛に専念すべきで、決して国境を越えた行動はすべきではないと思っている。戦争とはある国の軍隊が他国の軍隊と接触して行われるのだから、軍隊が国境を越えない限り戦争は起こり得ない。
軍隊が国境を越えるのは三つのパターンがあって、自国の領土を拡大しようとする時、他国にいる自国民を保護しようとする時、他国民を圧政から助けようとする時。この内、最初のケースは言語同断で、こんな不埒な国から自国を守るため軍隊は必要だ。最後のケースはもうそういうお節介は止めた方が良い。アメリカがイラクの国民を解放しようとしたが結果は必ずしも好転しなかった。北朝鮮の国民も可哀そうだが自力で頑張ってもらうしかない。
一番やっかいなのは自国民の救済で、過去の戦争を見ると殆どの戦争がそれを口実に始まっている。戦争をなくす事を至上命題にするなら、自国民の保護は現地の警察にお願いするしかないのではないか。現地の警察が信頼できないような国とは付き合うべきではないし、それでも行きたければ各自が自己責任で行き、脱出するのも自己責任で。そうでもしなければ戦争はなくならない。