2024年2月6日火曜日

連座

 政治資金規正法を巡り、会計責任者が罪を犯した場合政治家にも連座制を適用すべきだと言うがどうか。いや、政治家の責任を問わないという事ではなく、「連座」という言葉を使うべきかどうかである。

「連座」を広辞苑で引くと「他人の犯罪事件に関係して一緒に処罰を受ける事、巻き添え、連累」との説明がある。昔の隣組や五人組のように、ある集まりの中で一人でも犯罪者が出たらその周りの人も一緒に処罰しよう、というようなそんなニュアンスを「連座」という言葉は持っている。政治資金規正法に関する昨今の不祥事は勿論そんなものではない。本人が何と言おうと、政治家の指示に従って処理を行った会計責任者が罪を一人で負っているように見えてならない。むしろ「巻き添え」を喰っているのは会計責任者の方ではないか。

「経理処理は全て任せていた」と政治家は仰る。もしそれが本当ならこの広い世の中、政治資金を横領する人が一人くらい出てもおかしくないではないか。内部監査が厳しい銀行ですらそうした事件は沢山起きているが、そうならないのは政治家の眼が銀行の内部監査以上に光っているからだろう。彼等が命よりも大事に思っているカネを他人任せにする訳がない。

連座制を導入すると、会計責任者が議員を陥れるためにわざと違反する可能性がある、なんて議論もある。よくそんな事を素面で言えたものだ。厳格な審査と身元確認の上採用され、任せっぱなしにされても横領しないような人がそんな事するものか。仮に百歩譲ってその人が議員を陥れようと出来心を起こしたとしても、その犯罪行為が議員本人の意思ではない事を証明するのは比較的容易な事ではないか。

政治資金規正法違反の責任を議員に問う言葉としては「連座」より「共同正犯」ないし「教唆犯」の方が当たっている。

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