2024年2月20日火曜日

コロナ

 初めてその事に言及したのは4年前、202024日の第648回だった。前の週の130日に友人との飲み会のため都心に出て、周りの人の殆どがマスクを着用しているのに驚いたのだった。それからピッタリ4年後の今年130日に遅まきながら私もコロナに感染してしまった。

昼間はテニスをする程元気だったが、夕食の頃から喉に違和感があったのでその日が発症だろう。翌日は喉の痛みに加えて鼻水も出たが、熱は左程でもないので一日大人しくしていたが、次の21日は体温が38度を越えてしまったので、かかりつけの医者に行き、そこでコロナ陽性を宣言された次第。

5日間は誰にも会うな、との医者の指示に従った部屋に閉じこもりの生活は人間の欲望について考えるきっかけになった。3食以外に何か欲しいものはないかとLINEで気遣ってくれる息子に最初に頼んだのは水だった。とにかく喉が渇く。おそらく渇きは飢え以上に生命維持の上で切実な欲求なのだと思う。二日目に辛抱できなくなったのが歯を磨きたいという欲求、下着は二日毎には替え、4日目頃にはお風呂に入りたくてたまらなくなったが、5日を過ぎるまでは許して貰えなかった。

総じて食欲は旺盛で味覚の異常もなかったが、不思議だったのは陰性がはっきりするまで閉じこもった12日間お酒を飲みたいという渇望が湧いて来なかった事だ。元気な時なら3日も空ければ我慢できなくなるのに。思うに酒を飲むのは一種の権利だとの錯覚があり、その権利を主張したかっただけなのか。酒への誤った執着を見直すきっかけを作ってくれた事がコロナ感染の一番の収穫だった。

(先週は火曜が休刊日になりこのコラムもお休みしました。手違いで事前のお知らせが出来なかった事をお詫びいたします。)

 

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