2024年5月21日火曜日

復仇

 連日ニュースでガザの惨状を眼にすると、イスラエルもいい加減にしたらどうかと思えてならない。そんなイスラエルを支援し続ける政権に対する抗議の意味で、アメリカの外交官や国務省職員が辞職する事例が相次いでいるとか。4月に入ってから20人以上が、平和的手段での解決を提案しても相手にされないとして辞職したらしい。

中東問題に詳しい放送大学の高橋和夫教授はイスラエルとハマスの戦いはニューヨーク・ヤンキースと荒川少年野球団の試合のようなものだと言った。確かに去年の107日ハマスが1回の表の攻撃で数百人の人質を取ったが、その後イスラエルの1回裏の攻撃は二桁得点してもまだ一つのアウトも取れない、というような感じだ。

ナチス・ドイツのホロコーストを記憶する世代はイスラエルに同情的だ、などという指摘もある。確かにあのユダヤ人虐殺は酷かったが、それを行ったのはナチスであって、イスラエルがドイツに仕返しするなら兎も角、どうしてそのツケをパレスチナ人が払わないといけないのだろう。

人間なら「復讐」するようなケースを、国家間では「復仇」というらしい。ある国が不法な行為をした場合、他国が同等に不法な行為で報いる事で、今イスラエルがやっている事はまさにそれに当たる。報復行為を武力でやる場合を「戦時復仇」というらしいが、それが認められるためには三つの条件があるそうだ。「事前通知義務」「過度な懲罰の禁止」「人道的配慮」の三つ。最初の通知義務は確かに避難勧告などを出しているから守っていると言って良いかも知れないが、他の二つはどうだろう。

107日の行為に対する復仇だと思えばあまりに過度な懲罰ではないか。まさかイスラエルは80年前のホロコーストに対する復仇だと思ってないか。

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