イランやロシアの大統領選挙では名乗りを挙げたくても審査会の承認が得られなければ立候補出来ないそうで、なんと理不尽なと思ったものだが、東京都知事選挙を見るとそんな事前審査の制度も必要かもしれないと思ったりもする。
それにしても選挙を利用して金儲けをしようとする人が現れるとは思ってもみなかった。選挙ポスターを張る掲示板のスペースを1か所1万円(時期により変動)で売りに出し、1万4千か所が全て売れれば300万円の供託金を払っても充分儲かると言うのだ。
こんな事、許してはならないと直感的には思うが、どういう理論でそれを禁止すれば良いのかは分からない。被選挙権は全ての人に平等に門戸を開くべきで制限は出来ないので、矢張最後は国民の良識に頼るしかない。先程のビジネスモデルに関しては、応募する人が300人に満たなければ利益は出ない訳で、面白半分で選挙を茶化そうなどと不埒な考えをする人が少なければ良いだけの話だ。
逆に言えば、こんなビジネスを考え実行するのは選挙民を馬鹿にしているからだとも言える。そう言えばイランやロシアの選挙制度も国民を馬鹿にして、候補者を事前審査しないと国民は正しい判断が出来ないからと言う理屈で成り立っている。須らく国民は馬鹿にされないよう、自らを律するべきなのだ。
アメリカの大統領選挙は候補者の乱立を防ぐために、政党内で予選を戦って勝利した人が最後の決勝に臨む形式をとっている。
同じ政党から複数の立候補者が出るのはその政党の内部が統制出来ていない事を物語っており、一つの党派からの立候補者は一人に制限するという規制はありかも知れない。それでも一人の人が複数の党派を作ってしまえば同じ事だ。矢張最後は国民の良識が試される。