2024年7月23日火曜日

年齢

 新聞の将棋欄に初老の男性のにこやかな笑顔の写真が載っていた。71歳で引退が決まった青野九段の局後の感想戦での笑顔だった。将棋界では一定以上の成績が上げられないと本人の意思に拘らず引退を余儀なくされる。青野九段も負ければ引退という一局で優勢を築きながら逆転され惜敗したのだった。負けはしたがその笑顔には自分の将棋人生への満足感が溢れていた。

アメリカでは飛行機のタラップを登る足取りもおぼつかない81歳の老人が「対立候補に勝てるのは俺だけだ。」と頑張っている。周りの人達は何とか引導を渡そうとしているようだが、今頃そんな事を言う位なら、どうしてもっと早く別の候補者が出なかったのか。現職の大統領が再選に手を挙げている時には党内から別の候補が出る事は控えるという暗黙の了解でもあるのかと思ったが、1980年には現職のカーター大統領に対してエドワード・ケネディ上院議員が予備選を戦ったりしている。

私の記憶では大統領選で年齢が問題になった最初の例は1984年のレーガン対モンデールの時だった。討論会で司会者が「年齢について・・・」と言おうとしたらすかさずレーガンは「いや、それは問題にならないと思う。相手がたとえ若くて経験が足りないとしても私はそれを問題にしようとは思わない」とかわしたのを鮮明に覚えている。その時レーガンは73歳、モンデールは56歳だった。

1991年に都知事選を争った鈴木氏も当時80歳だったが舞台で前屈して見せたりして健康をアピールした。しかし今度のバイデン氏はそんな元気はなさそうに見える。

引退が決まった青野九段は弟子から花束を贈られ「もう一局指せると思っていたけどな」と呟いたとか。「もう一期出来るかと思ったが」と言いながらバトンを渡したバイデン氏に笑顔は戻るのだろうか。

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