この原稿が紙面に載る頃には立憲民主党の代表は決まっている筈だ。しかし誰がなってもそう大きな影響はなさそうだ。
立憲民主党の各候補は皆が自民党の不祥事を取り上げ我々がとって変わると主張していたが、どこまで本気だったのか。自民党が怪しからんから有権者は自分等に投票する筈だと、本気で思っているとしたら随分選挙民を馬鹿にした話だ。立憲民主党が有権者から選ばれるかどうかは、政権担当能力を認めてもらえるかどうかにかかっていると思うのに。
かつて民主党の幹部達が「一度我々にやらせて下さい」と訴え、国民が彼等に政権を渡した事があった。しかし沖縄の米軍基地の問題や、尖閣諸島での中国との折衝、果てには選挙公約を破る形で消費増税を決めるなど、その政権担当能力に疑問符がついて下野した。その経緯を真摯に反省すれば政権担当能力こそキーワードだと気付くだろうに。例えば地方行政で実績を積み有権者の懸念を払拭するなどの策はないのか。
自民党の総裁選は実質的に日本の舵取りを任せる人を選ぶ選挙だから注目しているが、こちらも疑問が多い。地方活性化を訴える候補が多いが、それなら自分が地方の首長になって持論を実行してみたらどうか。金をやるから具体案は地方が自分等で考えろ、と言っているように見える。賃金を上げる、という主張もある。企業経営者なら即実行できるのだろうが、これも他人任せに見える。賃上げを実施した企業については法人税を減免するとでも言うのか。他人をあてにするのではなく、自分が何をやるかを語って貰いたいものだ。
また、意気込みを語るのに「あらゆる対策を取る」とか「出来る事は全てやる」など言われるが、これは具体的に何から手を付けるべきか分からないと自白しているようなもの。具体策を語って欲しい。