一週間ぶりに保護された大和君。その生存には様々な奇跡が重なったとの事だが、その中の小さな奇跡の一つに水道管の元栓があると思う。当時元栓は閉められていて、水道の蛇口をひねっても水は出ない状態だったらしい。だが大和君は元栓を開けて水を得た。その元栓をみると、バルブには左右の矢印が書いてありそれに添って「でる、とめる」の表記があった。もしこれが「開、閉」だったら。七歳の大和君はおそらくまだ漢字は知らない。もっともあの状況でなんとか水を得ようと試行錯誤の末、水を出すことには成功したのだろうが。
テレビのニュースでその映像を見て、娘の幼稚園の運動会を思い出した。運動場の片隅の水飲み場にはいくつかの水道の蛇口が並び、その中の一つに「使用禁止」の札がぶら下がっていた。そしてそこには「しようきんし」とふりがなが振ってあった。これを書いた人はおそらく謹厳実直で、でもちょっと機転に欠ける面があるのではないか。「しようきんし」という音の意味が分かる人なら間違いなく漢字も読めるはずで、漢字の読めない幼児のためなら「つかってはいけません」とふりがなすべきだった。
それを書いた人を笑えない人も多い。道路標識の作者達もその中の人。「国会正門前」のアルファベット表記は「Kokkaiseimon」とある。それを見て意味を汲める外国人が何人いるか。東京オリンピックを控えてこの表示は「The National Diet Main Gate」になるそうで、まずは良かった。
東京オリンピックに来た人が何人札幌まで足を伸ばすか知らないが、札幌の地下鉄もローマ字表記を考え直した方が良い。南北線を札幌から北へ行くと「北12条駅」とか「北18条駅」とかが奇妙なアクセントの日本語でアナウンスされる。あれも外人さんには分からないだろうなあ。
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