二つのニュースがあって、それらはそれぞれ独立した別個の話題なのだけど中に共通したテーマがあって、それが不思議なことに全く別の価値観で語られている、という事がたまにある。
例えばその一つが盛り土に関する話。東京の豊洲市場のゴタゴタでは土壌汚染対策としてなされた盛り土の上に建物を建てる事の構造的安全性が話題になった。ところが東日本大震災で津波の被害を受けた地域で行われている10mを越える高さの盛り土について、その上に家屋を建てる事に関して安全性を問う記事を見たことがない。支持地盤まで杭を打つ構造物に疑問を投げかけ、恐らく盛り土の上に基礎を置くだけの家屋を疑問視しないのは何故か。
もう一つは自動車の運転に関する話。先日も「免許返納でお得」という見出しで、高齢者に運転免許を自主返納する事を勧める記事があった。最近高齢ドライバーの運転ミスによる事故が増えての事で、免許を返納する代わりに運転経歴証明書を貰い、それを身分証明書にしたり、それを提示する事で商店街での買い物で割引を受けたりできるという。葬儀の際の祭壇料を15%引きにするという例もあるそうでなんだか悪い冗談に思えた。
子供は離れて暮らし、配偶者にも先立たれたりして一人暮らしとなれば買い物など車は必須になるだろうに、その人等に免許を返納しろとはあまりに酷な要求ではないか。
一方で最新技術の話題としてAIによる自動運転の記事も良く見かける。だがこれらはタクシーや物流トラックへの応用の話はでるが、高齢者を支援するためのものとして語られることを今まで見たことがない。自動運転の恩恵を一番に受けるべきは高齢者であると思うのに。
私が後期高齢者になる頃には免許を手放さなくても良い世の中になっていて欲しいものだ。
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