2017年4月18日火曜日

地政学

最近株の世界は「地政学リスク」で持ちきりだ。アメリカがシリアを空爆したことにより、朝鮮半島がにわかにきな臭くなり、そのリスクを受けて日経平均は六日連続して下げた。日本の相場が朝鮮半島の影響を受けるのを「地政学リスク」というのは分かるが、地球の裏側のシリアやアフガニスタンの騒動でアメリカのダウが下げるのも地政学と言うのはいかがなものか。
地政学を辞書で引くと「政治現象と地理的条件との関係を研究する学問」とある。シリアの混迷の影響を受けてトルコが強権的政治へ移行しようとするのはまさに地政学と言えるかも知れないが、アメリカとシリアの関係を地政学とはどういうことか。
トランプ大統領の選挙中の公約の中で唯一「もはやアメリカは世界の警察ではない」という言葉には期待した。アメリカだけが偉そうな顔をして世界の平和を口実に他国の内政に干渉するのはかえって世界の平和のためにならないように思っていたから。イラクが一番良い例でサダム・フセインの独裁政治は、シーア派とスンニ派の対立やクルド人問題など複雑な国内情勢をまとめる一つの解決策としてイラク人自身が選んだものだったのだからそれに干渉すべきでなかった。イラクがクエートから撤退した時点でアメリカは手を引くべきだった。
もっと言えばイラクとクエートの国境線、いや中東の国境線そのものが西欧の都合で引かれたものだとすると、国境線の変更も民族自決にゆだねるべきではないかとすら思う。
アメリカではシリア攻撃よりも国内問題を優先すべきだと主張したバノン氏が更迭された。トランプ大統領はつまるところ確たる信念があるわけでなく、取り巻きの主張を右顧左眄しているだけなのかも知れない。これは地球全体の地政学いや政治リスクなのだろうか。

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