2017年5月9日火曜日

忖度とヨイショ

今年は忖度という言葉が流行語大賞を貰いそうだ。思わぬ使われ方をして忖度にとってはいい迷惑だろう。森友学園事件の関係者を見るとむしろ「ヨイショ」という言葉の方が似つかわしい。
「ヨイショ」は俗語でまさか広辞苑が採用しているとは思わなかったが、ちゃんと載っていた。「相手の機嫌をとって、おだて上げること」で「上役にーする」という用例があった。
財務省の度を越した親切さ、国有財産を破格の条件で民間に払い下げる配慮、どれも上役の覚えを目出度くしたいがためのヨイショでしかない。様々な過程で一人も「そりゃおかしいよ」と言う気骨のある人間はいなかったのだろうか。仮に総理婦人から配慮を求められたとしても「鶏が先か卵が先か程度の事はなんとか融通を致しますが、国民の財産を預かっている身として不当な条件で払い下げるわけにはいきません」と毅然と対応すればよかった。それでもまだ上司から圧力が掛かってくるようなら、その時こそそれを公にして「こんな無理難題がまかり通っていいのか」と声を上げればいい。出世に影響はあろうが、命までとられるわけではあるまいし、その方がずっと格好いいのに。
格好良さで言うなら、政権側も変な忖度から国有財産を不当に扱った役人を国家に損害を与えた咎で処罰すれば格好良かった。もっと格好良いのは大国に対して自説を堂々と述べることだろう。

安倍首相はアメリカにヨイショしてトランプ大統領にベッタリだ。朝鮮半島有事の際に一番影響を受けるのは我が国なのだからあらゆる選択肢と言ってもまず第一に平和的解決を望むとどうして言えないのか。フィリピンのドテルテ大統領だって言ってる事だ。憲法が国際紛争の解決に武力の行使を禁んじている事をまさか忘れたわけではあるまいが。

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