2017年11月14日火曜日

国語辞典

皆さんは国語辞典を何冊お持ちだろうか。私は製本されたものとして広辞苑、新明解国語辞典、三省堂国語辞典、実用版現代国語辞典の四冊(他に岩波国語辞典があるはずだが)、それにカシオの電子辞書に入っている明鏡国語辞典を持っている。国語辞典なんて一冊あれば十分だろうと思われる向きもあろうが、なかなかどうしてそれぞれに面白い。
国語辞典の面白さを書いた本として「三省堂国語辞典のひみつ」がある。その著者が言うには国語辞典はラーメンのようなものだ、と。ひと言にラーメンと言っても塩味から豚骨味まで、具にも様々な工夫を凝らしたものがあって、個性豊かで多様なものがあるように、国語辞典にも同様だと言うのだ。
そもそも国語辞典とは何か。かつて節用集の頃は漢字の書き方が分かればよかった。現代の辞書は何を教えてくれるのだろうか。日本で最初の国語辞典は「言海」で作者の大槻文彦は発音・品詞・語源・語釈・出典の五つの要素を記載すべきだと考えた。これでもまだ足りないと考えた山田美妙はアクセントを加えた「日本大辞書」を刊行した。確かに英語ではアクセントがとても大事だ。それ以外でも色んな事を伝えよう、記録しようという辞書編纂者の苦労は前述の本を参照されたい。
語釈だけでも辞書の個性があって面白い。「言海」は「川」を「陸上ノ長ク凹ミタル処ニ水大ニ流ルルモノ」と説明している。傑作は新明解国語辞典の「恋愛」だろう。「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態」だそうだ。ね、面白いでしょう。皆さんもいろいろ国語辞典を開いて見たらどうでしょうか。

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