2018年6月19日火曜日

愛情

そのニュースに接して涙しなかった人はいないのではないか。「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」いたいけない五歳の少女の悲痛なお願いだった。
赤の他人ですら放っておけないようなそんなお願いが、一緒に暮らす大人の心を動かさないとは!私は再婚というものをした事がないので分からないが、再婚相手の連れ子というのはそんなに憎いものなのだろうか。そもそも再婚しようと決意するくらいだから、再婚相手そのものには一定以上の愛情を感じているはずだろう。その子であれば、少なくとも赤の他人よりは濃い愛情を持って然るべきだと思うのは単なる理屈か。
母親は再婚相手の男性に遠慮して、子に対する十分な愛情を示すことが出来なかったようだ。これも到底理解できない心情だ。仮に私が再婚して、再婚相手が私の連れ子をいじめたとする。私は当然に子の味方をし、場合によっては再離婚もやむなしと考えるだろう。実の我が子より、配偶者の方により強い愛情を感じているとしたら、よほどその人が魅力的な何かを備えているのだろうか。外見からはとてもそうは見えないが。
結愛ちゃんの実の父親はこの事件をどう見ているのだろうか。こんな事になるのなら自分が引き取れば良かった、と思っているはず。メディアが取り上げないのは、プライバシーの問題もさることながら既にこの世を去っておられるのだろうか。
結婚と親子関係の難しさという点では、配偶者と子の関係より、配偶者と親の関係の方が一般的だ。その場合においても私の実感では血縁による愛情の方がより比重が大きいような気がする。皆さんはどうだろうか。「親の心に背いてまでも恋に生きたい私です」という歌謡曲の文句もあるが、いずれにしろ二つが離反するのは哀しい人間の愚かさなのか、それとも愛情には何かワナでも仕掛けられているのだろうか。

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