埼玉県では希望者に対して万歩計を配布し県民の健康維持の一助としている。私の住む幸手市はさらに歩数に応じたポイントを付与し、やる気を喚起している。市役所や各地区の公民館に置かれた端末に万歩計をかざすと、データが読み取られ歩数履歴が記録される。データは自宅からもネットで確認できるし、一万歩以上歩けばボーナスポイントも加算される。
数か月前、その制度を知ってからそれまで自動車や自転車で行っていた所に徒歩で行くようになった。夕方買い物から帰って歩数が九千八百歩であったら、残りの二百を稼ぐために居間で足踏みしたりしている。
その万歩計を携えて出雲に帰り、驚いた。歩数が稼げない。
今まで出雲では車がないと生活できないと思っていた。スーパーへ買い物に行くのも車、ファミレスで外食するのも車。自転車に乗るのはせいぜい運動不足を実感する時くらいだった。だが今回街が意外に小さい事に気付いたのだった。最寄りのファミレスまでせいぜい片道で千六百歩、スーパーまではわずか千百歩しかない。家でゴロゴロしているだけだと二千歩を越える事はまずない。これだと一日一万歩を達成するのは大変だ。
埼玉では往復で六千歩ほどかかるドラッグストアに良く買い物に行っていた。テニスを二時間やっても凡そ六千歩稼げる。そうして可成りの割合で一万歩を達成していたのに。
車がないと生活できないというのも強迫観念に囚われた誤った認識であったようだ。基本的生活は徒歩で十分できる。ちょっと遠くへ行くのも電車やバスに徒歩を組み合わせ、少し時間はかかるが出来ない事はない。
歩数を気にするようになって、私はスーパーでのまとめ買いをやめた。必要になればその都度歩いて買いに行けばいい。時間の無駄と言う負い目を感じない様に、録り溜めたラジオ番組を聴きながら。
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