2019年8月13日火曜日

夏の甲子園


読売新聞の編集手帳に夏の甲子園について書かれていた。意外だったのは今年の大会は百一回目だが、甲子園球場は完成から今年で九十五年目だとの事。調べてみたら会場は豊中球場や鳴尾球場などを経て第十回大会から阪神甲子園球場が使われるようになったようだ。途中戦争で四回中止になっているから95+10-4101で帳尻が合う。

さて編集手帳には三十年前アメリカのジャーナリストが書いた文章が紹介してあった。「甲子園は日本人にとってきわめて象徴的なイベントだ。伝統行事の少なくなった今、郷土心をかきたてる数少ない行事の一つ」と。

三十年前ならそうだったかも知れない。だが、今はどうだろう。七月に帰省した時、丁度島根県大会の準決勝・出雲高校対開星高校戦がテレビ放映されていた。各打者が打席に入るとその選手の成績と同時に出身中学が表示された。出雲高校の選手は平田中学、斐川東中学、佐田中学等々全ての選手が地元の中学の出身者、一方の開星高校の選手は大坂や兵庫の中学の出身者が多かった。翌日の決勝戦も見たが、石見智翠館高校も開星高校と同様だった。そういう事はうすうす聞いてはいたが、改めて実態を突き付けられると「郷土心をかきたてられる」雰囲気にはなれない。

出場校を地元の代表と感じるためには、プロ野球で外人枠が制限されているように、出身中学に一定の制限を加えた方が良いのではないだろうか。それが出来ないならせめて本番の大会でも選手紹介の時に出身中学を表記して欲しい。あの田中将大投手は北海道の代表として甲子園に出場したが中学は兵庫県の伊丹市立松崎中学校だし、彼と優勝を争った斎藤投手は逆に群馬県太田市立生品中学を出て東京代表として出場している。中学の地元の人達は彼等をどんな思いで見ているか。

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