2019年9月10日火曜日

死とは何か


都心の某大手書店で平積みされていた本が眼を惹いた。「死」とは何か。傍らに「イェール大学で23年連続の人気講義」とある。パラパラと中を捲ってみると中々面白そうだ。家に帰って早速図書館の蔵書を検索し、予約を入れた。待つ事数か月、ようやく順番が回ってきて本を手にして奥付を見ると20181010日初版発行で2018116日には第四刷が出ている。図書館の予約の多さと言い、人気抜群のベストセラーと言って良さそうだ。

それにしてもこの頃近場の本屋が次々に姿を消している。駅前の本屋も市街地商店街の本屋も。本棚に並んだ本を当てもなく眺めて、自分にフィットしそうな本を探す楽しみは今や図書館でしか味わえなくなってしまった。しかしそれでは最新のトレンドを追う事が出来ない。最低でも月に一回は新刊本がずらっと並んだ本棚をブラブラと散策したいものだ。

アマゾンは本の流通を根本的に変えてしまった。その便利さは認めるが、既存の本屋を窮地に追いやってしまった罪はどう償ってくれるのか。ネット通販各社は消費者に実物商品を展示する意味でも、人口五万人当たり最低一店舗程度を構えるべきではないかと思うがどうか。

さて、「死」とは何か。ここで僅かな字数で語るような内容ではないが、著者の言わんとするところは、死を恐れるのは不当だ、何故なら死は悪いものではないから。むしろ不死こそが悪いのである、というような事になろうか。余命いくばくもないと宣告された学生が熱心にこの講義を聞いていたらしいが、どんな気持ちで聴講していただろう。

私には疑問が多く残る内容だったが、「人生はやることがあまりに多くて適切にやることがあまりに難しいからこそ、用心しなければならない。」の一節だけは身に染みた。

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