2019年9月3日火曜日

金持ちと税金


来年度予算の概算要求が過去最大になるらしい。国家予算はどんどん大きくなり、政府はまるで大金持ちにでもなったかのように税金を使う。そしてその蜜を求めて多くの蟻がたかり、財政赤字などどこ吹く風だ。税金の使い方はこれでいいのか。

防災、公共インフラ整備、最低限の社会保障等の分野に税金が使われるのはまあ異論はないだろう。だが生活に直接関係のない、例えば書画骨董を集めるなどはどうか。事業に成功して財を成した人が余生の道楽に絵画や美術品を収集して、それを公開するというなら実に愛ずべき事である。だから足立美術館や根津美術館が出来るのは好ましい事なのだが、県立美術館や市立美術館が矢鱈に出来ると、おいおいちょっと待てと言いたくなる。そんな金があったら税金を下げるべきではないか。庶民から搾り取った税金で道楽しないでくれと言ったら言い過ぎか。

学問や先端科学もかつては金持ちの道楽だった。チコ・ブラーエが精密な星の運行記録を作ったおかげでケプラーの法則が導かれ、それがニュートンの万有引力の発見につながるが、貴族の支援を得て作られたチコ・ブラーエの観測機器は国家予算で建設されたスーパー・カミオカンデを連想させる。
宇宙開発だってそうだ。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは月面着陸と宇宙コロニーを目指してブルー・オリジン社を作った。そんな事は本来なら国家が税金でやる事なのだろうが、流石ITの雄は責任感の薄い官僚に金の使い方を任せておけないとばかりに、巧みな税逃れで節税した資金で宇宙に乗り出す。仮に彼の計画が失敗に終わったとしても、官僚と言う没個性的な人格が無駄遣いをするより、個性的な人がその責任で無駄遣いをやった方が大局に立てば良いのかも知れないと思ったりするのである。

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