2020年5月12日火曜日

現状把握


東京都のデータで陽性率が計算できない、には呆れた。検体を採取した日と結果が判明した日に時差があるからだとか。本来全ての検体に識別番号を割り振って、それぞれに氏名、検体採取日時、採取した機関、検査日時、検査をした機関、結果判明日時などを全て記録しておくべきだ。ならばそこから検体採取日ベースの陽性率、結果判明日ベースの陽性率、自在に計算できるはずだ。
データ軽視、現状把握軽視に危惧を感じる。現状認識をおろそかにして精神論を振りかざし痛い目に遭った先の大戦の教訓を忘れたのか。「人との接触を八割減らせ」の号令は「贅沢は敵だ」の掛声に似ている。あの時も変な正義漢が出た。
緊急事態宣言の継続の理由の一つに「収束のスピードが思った程でないから」というのがあった。平たく言えば「ある方針でやった事の効果が思った程でないからその方針を継続する」という事だ。これを誰もおかしいと思わないのか。思った程効果がなかったのなら方針を変えて別の方法を試みるべきだろう。八割減は接触を二割に抑え、2.5×0.20.5の初等算術を元に精神論をぶっているだけのように見える。
国内の感染者数の実態を国会で質問され首相は答えに窮した。誰も知らないから無理もないが、不思議なのはどうしてそれを知ろうとしないのかだ。何か所かで一定数のランダムサンプリングを行ってPCR検査、抗原検査を実施すれば凡その感染実態が把握できるだろう。同時に抗体検査も行って、どの程度に免疫が広がっているかも分かればもっと現実的で効果的な対策が打てると思うのに。新規感染確認者数の減少は接触削減より、免疫獲得の方が効いているのかも知れないのだから。
戦時中贅沢は敵だった。今接触は敵だと言われている。早く接触は素敵だと大声で叫びたい。

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