2020年8月4日火曜日

 コロナと長梅雨のダブルパンチで外出がままならず、家で過ごす時間がやたらに長い。もっとも本を読んだり映画を見たりお酒を飲んだりと、やる事は一杯あるので「今はぐっと我慢して家で過ごしましょう」と自粛を呼びかける言葉はピンと来ない。家で過ごす事はぐっと我慢する事なのか。それは本来素晴らしい事の筈で、そのチャンスを活かさないのは勿体ない事だ。(と、ちょっと強がりを言ってみる。)

そこで今日は最近読んだ本の中から面白かったものをご紹介したい。

「アンダーグラウンド」「約束された場所で」いずれも村上春樹の著書で、オウム真理教関連のインタビューをまとめたものだ。前者は地下鉄サリン事件の被害者及び遺族へ、後者は元信者へ。中で元信者の次の言葉が印象に残った。「何を言ったところで、それがマスコミに出る時にはぜんぜん違う文章になっています。こちらの真意を伝えてくれるメディアなんてひとつもありません。」

面白い事に同じような発言が「アンダーグラウンド」にもあった。つまり事件の被害者達も加害者側と同じようにマスコミに不信と不満を抱いている。自分らの言う事をまともに取り上げてくれない、と。マスコミに出てくる情報はかなりのバイアスがかかったものであると思った方が良さそうだ。

オウム真理教事件への疑問はナチスへの疑問と軌を一にする。どうして一見優秀な人達が騙され悪事の片棒を担いだか。神奈川県の津久井やまゆり園では障碍者が多数殺害されたが、同じような事をナチスは集団で行った。しかも優生学の名の元に高名な科学者達が協力して。その疑問解明の一助になればと「ドイツにヒトラーがいたとき」篠原正瑛著を読んだ。とても面白かった。内容紹介したいが紙面が尽きた。またの機会に。

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