2022年2月8日火曜日

年齢

 石原慎太郎氏の死を告げるネット記事を見て首を傾げた。そこには石原四兄弟が一列に並んだ写真と共に、四人それぞれのコメントが掲載され、長男の伸晃氏のコメントは以下の通りだった。「(前略)父・石原慎太郎が本日の午前に急逝いたしました。89歳。数えで90歳であります。膵臓がんを(後略)」二月一日現在で満年齢と数え年が一つしか違わないという事は一月生まれだったのか、と同じく一月生まれの私は親近感を持った。

ところが調べてみると石原氏は昭和7930日生まれ、数えは91歳だ。自分の親の年を間違えるとは何たる親不孝。それとも伸晃氏は数え年の仕組みをよく理解しないで、単純に満年齢に1を加えたものだと思っていたのだろうか。日本文化を愛した父を想い敢えて数え年に言及したのなら、よく勉強してからにして欲しかった。

旧弊に思える数え年だが、満年齢より適切だと思うケースが去年の全米オープンテニスであった。新進気鋭の若手の女子選手二人が優勝を争っていた。アナウンサーによると一人は19歳、もう一人は18歳だと言う。そう聞けば片方が一歳年上で結構差があるように思えるが、実際には一方は9月生まれ、片方は同じ年の11月、二か月違いでしかなく大会当時誕生日が来ていたかどうかの違いしかないのだ。数え年で言えば二人とも20歳、そう言った方が二人の関係をより的確に表現しているではないか。

人の長幼を表す際には数え年の方が適していると思った。そう言えば学校の学年も数え年のシステムに似ている。満年齢は違っても同じ学年なら長幼の差はほぼないと考えられる。数え年は正月に一斉に年を取るが、学年の場合は四月に一斉に一つ上がる。数え年は言ってみれば人生何年生かを表す優れたシステムなのだ。

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