2022年2月1日火曜日

罰則

 これも正月のニュースで知った事だが、イギリスには現代奴隷法という法律があるそうだ。一定以上の規模を持つ企業に対して、その取引先を含めて奴隷労働や人身取引に関与する事を禁止するものだ。ニュースではある企業がその調達先が最低賃金を遥かに下回る時間単価で労働者を雇っていたとして非難を浴びている事を報じていた。そして、今は罰則はないが今後罰則を設ける方向にある、と。

人を奴隷のようにこき使うのは悪い事だからそれに関与した会社を罰するのは当然の事の様にも思えるが、何か違うような気がした。そもそも人が人を罰するのは慎重であるべきなので、どういう場合に罰しても良いかを刑法が規定している。そこに書いてない事は多少眉を顰めるような事でも無暗に人を罰してはいけないと考えるべきだ。最低賃金以下で労働者を雇ったというが、それは労使双方の合意の上ではないのか。もし無理矢理首に縄をつけて強制労働させたというなら、監禁罪、誘拐罪等に問えば済む。

大体、国が偉そうに民間の人や企業にああしろこうしろと指図するのが気に食わない。一番悪い事をしているのは国ではないか。刑法で一番重い罪は恐らく殺人だ。その殺人をやっているのが国なのだから。イスラエルはガザ地区の民間施設を空爆し、いたいけない幼児を何人も殺したし、アメリカは無人爆撃機でアフガニスタンの無辜の民を何人も殺した。それを罰しないでどうして民間企業が罰せられよう。

そのアメリカがウクライナでロシアと向い合っている。アメリカ式の民主主義を広めたいというのがアメリカの大義名分なのだろうが、それも善意の押売りの臭いがする。刑法130条には住居侵入罪が規定されている。よその国に軍隊を派遣する他国侵入は理由がどうあれ禁止すべきではないか。

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