2022年3月15日火曜日

リーダー

 ウクライナがロシアの侵攻になんとか耐えている中、ロシアの軍事力を恐れてか調停に乗り出す国が現れない。アメリカは半分当事者みたいなものだし、中国に期待する向きもあるようだ。結局、米露中の三か国の顔色を窺いながら世界の政治が回っている。その米露中という三つの軍事大国を向こうに回して日本がかつてそれぞれとタイマンでガチンコの戦争をやって21敗と勝ち越した事を思うと昨今の日本の政治家の影の薄さが情けない。

いやいや国際政治の檜舞台で大きな顔をして国民を戦争に巻き込むようなリーダーよりは、片隅でひっそりとしていてひたすら自国民の幸せを念じている方がずっと良いリーダーなのかも知れない。プーチン大統領を見ていると、ああいう人が日本のリーダーでなくて良かったとしみじみ思う。

古代中国ではリーダーを王者と覇者の二つに分類し、徳を以て天下を治める者を王者、力で治める者を覇者と呼んだ。プーチン大統領に王者の風格は全くないし、覇者と呼ぶ事すら憚られる。ボディーガードを沢山引き連れて歩く姿は山口組の親分でも見ているようだ。

ウクライナ侵攻の指令を出した時はちょっと脅せばウクライナの指導者がすぐに尻尾を巻いて逃げるとでも思っていたのだろうか。そういう誤算をするのは彼自身がそういう人間だからだろう。しかしゼレンスキー大統領は逃げなかった。その悲愴な表情を見ると、桶狭間の戦いを前に幸若舞を舞った信長の姿が重なる。「人間五十年、下天のうちを比べれば夢幻の如くなり」ゼレンスキー大統領もそんな心境かも知れない。

翻って日本のリーダーも、普段目立たないのは良いが、いざと言う時には逃げないで毅然とした態度を見せてくれないと困る。スキャンダルの度に秘書の責任にするのを見ると心配だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿