2022年4月19日火曜日

大国の驕り

 A国の大統領がB国の大統領について「この男が権力の座にとどまってはならない」と言った。それに対してB国の大統領報道官が「B国の大統領はB国の国民が決める。A国が決めることではない。」と反論した。A国とB国、どちらの主張が民主的かと問われれば普通はB国の方だろうと思うが、実際はA国が民主的と言われるアメリカで、B国が強権主義と批難されるロシアなのだから訳が分からない。

アメリカは自国の国益のために他国のリーダーの首をすげ替える事を何とも思っていないようだ。キューバでは失敗したが、パナマのノリエガ将軍は自国の軍隊を投入して捕縛してしまった。まるで国内の犯罪を取り締まるかのように。ロッキード事件もアメリカから「あの男が権力の座にとどまってはならない」と思われて起きた事なのかも知れない。ロシアもノリエガ将軍の前例に倣おうとしたが、残念でした。

イギリスのジョンソン首相がキーウを視察した。一体何のために?かつて東日本大震災の時は菅首相が福島第一原発を視察したのがマスコミに叩かれた。懸命に事故対応に追われる現地スタッフの邪魔をするなというのだ。だが、政府の責任者として現地の実態を把握したいと思うのは当たり前だ。あの時菅降ろしの大合唱をしたマスコミが今度の何の役割もない視察をどうして黙認するのか。ゼレンスキー大統領は毎日寝る間もなく対応に追われている。その疲労度は福島原発の現地スタッフに決して劣らないだろう。他国首相にアテンドして被災地を案内する暇があったら、せめてその時間だけでもゆっくり休ませてあげたかった。来てやったとでも言わんばかりのジョンソン首相の振舞いに大国の傲りを感じるのは小国の妬みに過ぎないか。

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