2022年10月18日火曜日

もしかしたら:トライアングル第788回

 コロナの話題がすっかり減った。それでも最近の新規感染者数はかつて第一波で緊急事態宣言が出た頃の何十倍にもなる。グラフを見ても第一波の山は余りに低くてどこにあるのか分からないくらいだ。あの頃の騒ぎは一体何だったのか。

とまれ、社会が普通の姿を取り戻すのはありがたい事だ。そんな中、政府が観光業界を支援しようと始めた全国旅行支援の対象となる旅行予約で売り切れが続出しているらしい。市場で行われる通常の経済活動に変な横槍を入れて介入すれば混乱が起きるのは当然だ。

「売り切れ」という言葉に旧ソ連で「もしかしたら」という意味の「アボーシカ」と呼ばれる買物袋を女性が外出の際いつも持ち歩いていたという話を思い出した。街を歩いていてもしかしたら何か売り出しがあるかも知れない。その時はすぐに行列に並んで買えるように袋は必携の品だったのだ。サイズの合わない衣類でも兎に角買って仲間で融通し合ったとか。計画経済で流通が政府の管理下にあるとすぐに物が売り切れになったという話。

かつて日本は最も成功した共産国家だと揶揄された事がある。昨今共産国家の悪い面をよく目にするような気がしてならない。

小中学校で生徒に配られるデジタル端末の破損が相次ぎ、自治体の負担が急増しているそうだ。個人所有のパソコンやタブレットがそんなにしょっちゅう壊れる事はないように思うが、自分の物じゃないと思うと扱いが粗末になるのだろう。中共で集団農場を始めた時、家畜が全て集団の管理下に置かれる事を知った農民が取り上げられる前に家畜を全部食べてしまった話を思い出す。

考えて見れば補助金のばらまきも多分に共産国家的発想だ。もしかしたら日本はかつてソ連が経済的に行き詰まったのと同じ道を歩んでいるのではあるまいか。

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