NHKの国際報道を見て思った。英語が世界を席巻している、と。武力や政治力でも英米の力は極めて大きいが、少なくとも言語に関しては間違いなく英語が世界を制したと言って良いのではないだろうか。
ロシアのウクライナ侵攻を西側諸国が非難し経済制裁を加える中、アジア・アフリカ諸国ではそれと一線を画す動きがみられる。特にアフリカ諸国ではヨーロッパの植民地として苦しんだ記憶もあってか、ロシア寄りの立場を取る国が少なくないらしい。そしてアジア・アフリカで欧米のジャーナリズムとは別の道を行くジャーナリストを育成する学校が出来た、とのニュースが流れた。欧米のジャーナリズムとは別の価値観からの報道も大切だ、という訳だ。
日本は欧米のジャーナリズムにどっぷり漬かっている。ウクライナの惨状は毎日のように報道されるが、同じようにイスラエルから攻撃を受けているガザ地区の人々の惨状は殆ど報道される事はない。民間施設が攻撃の対象になっている点からすれば、どちらも戦争犯罪の被害者と言って良い筈なのに。
さて、独自のジャーナリズムを育てようという学校の講義をロシア人講師が行っている様子が放映されたが、その講師は英語を使っていた。価値観は英米と対立しても、言語は彼等のものを使っている。そういえばEUだってイギリスが脱退し、域内に英語を母語とする国がないにも関わらず(アイルランドは英語かな?)、EU首脳は会見を英語で行っている。
かつて私が中学生の頃は、世界共通の言語としてエスペラント語なるものが提案され、それを学ぶクラブすらあった。あのエスペラント語はどうなったのだろう。やはり人工的な言語には血肉が伴わないのか。その言語で書かれた優れた文学作品がない事も普及の阻害要因だったのだろうか。
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