「忖度」という言葉の印象を一変させる程政治家の思惑に敏感だったはずの官僚達だが、マイナバーカードの普及に関しては一向に忖度しないのは何故だろう。
先日戸籍謄本が必要になって出雲市に取り寄せを打診した。恥ずかしながら二万円のマイナポイントに釣られてマイナンバーカードを作った所だったので、これを利用して便利に受け取れるかもと期待していたが、マイナンバーカードは一切役に立たないらしい。これには驚いた。
我が住む幸手市はどうだろうかと、市役所へ行ったついでに「マイナポータルについて教えてください」と窓口で問い合わせてみたら、別件で対応してくれていた女性は「ええっと、それは・・・」とマイナポータルについては殆ど何も知らない様子。別の所員も不如意のようで、結局「詳しい者を呼んできますのでしばらくお待ちください」となった。
数分待たされて呼び出された窓口に行くと、ITに詳しそうな若い男性が待っていた。そこで渡されたA4一枚の紙に驚いた。何十回もコピーを繰り返したような紙で、恐らく元は三つ折りに畳んだ小綺麗なパンフレットだったのだろうが、今はもう細かい字は潰れて読めない。元のパンフレットは印刷部数をケチったのか、もうなくなったという。件の男性職員も左程詳しい訳でもなく、こちらの基礎的な質問にすぐに「うーん」と考え込んでしまう。操作マニュアルらしき冊子を繰りながら説明してくれるのだが、要領を得ないので、その冊子を見せてくれと頼むと、見せる訳にはいかないと拒否された。
こうした事情を総合して結論した。政府はマイナンバーカードの普及を声高に吹聴しているが、本音ではそんなにやる気はないのだ、と。さもなければ忖度文化の徹底している組織の末端がこんな為体(ていたらく)な筈がない。
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