2024年10月28日月曜日

勝海舟

 何年ぶりかに聖徳記念絵画館へ行ってきました。前に行った時には気づかなかったけど、「勝海舟の孫:精(くわし)(徳川慶喜の十男)」という表現がありました。えっ!?勝の孫が慶喜の十男?これってどういう事?勝の娘が慶喜の側室に入ったという事か?と思いながら帰ってネットで調べたら慶喜の十男が勝家に養子で入っているんだね。

ところで、勝と西郷が江戸城無血開城のため会見した図があるけど、これってちょっとおかしいのではないか?だって、これ、勝が床の間を背にして、つまり上座に座っている。確かに西郷と勝を江戸時代の価値観で測れば勝が上座に座っておかしくないけど、この時は西郷は一応官軍を代表して、つまり有栖川宮熾仁親王の名代としてこの会見に臨んでいる訳だ。それが下座に座るのはおかしいじゃないか。
僕の考えは間違っているかなあ?


2024年10月25日金曜日

椿姫

 県立図書館でDVDを借りてきてヴェルディのオペラ「椿姫」を見ました。

①の写真のように、舞台の片側に大きな時計が置かれ、時の流れを暗示しているかのようです。問題はこの時計が何時を示しているか?あ、この問題は私の単なる好奇心だけで、物語の本質とは全く関係がありません。真上が12時だという訳ではなく、長針と短針の関係から合理的に何時何分かを推察しようというのです。


②ヴィオレッタとアルフレートが愛の時間を過ごす時には時計が隠されています。そこへアルフレートの父がやってきて二人を現実の世界へ引き戻す。


③ヴィオレッタは時計の覆いを取り除きます。さて、これは何時か?


④この時計が一番何時かよく分かる。長針の位置が丁度刻みと刻みの中間にあるので、何時か分からないけど30分である事は分かる。だとすれば長針の位置が「6」の位置でないといけないので、これなら9時30分である、という事が分かる。


この調子で過去の例を振り返ると
 ①は5時14分
 ③は6時4分か7時9分か
ってな感じかな。
いやいや、そんな変な事は考えないで、ストーリーに没頭しないといけませんな。
このオペラ、「乾杯の唄」が有名だけど僕はアルフレートの父親が息子を取り戻そうと歌う「プロヴァンスの海と陸」が一番好きだなあ。(写真⑤)これは数あるオペラの中でも一番好きなアリアと言って良い。


それにこのDVD、ヴィオレッタ役のアンナ・ネトレプコが美人で良かった。(写真⑥、⑦)オペラは歌唱力優先でルックスは重要視されないので、あまり美人でもない人が絶世の美女役をやったりして感情移入がしにくいけど、これはその点良かったなあ。惜しむらくは結核で余命いくばくもないのだからもう少し痩せててくれたら良かったけど、それでは流石に声量が出ないもんね。




2024年10月24日木曜日

新宿

 久しぶりに新宿へ行った。西口は毎日通った場所。それがすっかり変わっている。西口広場の天井にわずかにかつての面影が残っていた。

飲み会の時間まで少し間があったのでヨドバシカメラをブラブラしてたら、全自動のオーブントースターや、温度調節付きのオーブントースターがデカデカと宣伝されていた。
全自動のオーブントースターって??食パンを入れたら入れただけで温度設定などしなくてもちゃんと焼いてくれるのかな?
温度調節付きって、温度調節の出来ないオーブントースターってあるの?それって大丈夫なのだろうか?なんかハンドル付き自動車って感じ・・・・



2024年10月22日火曜日

搾る

 先週は火曜日が新聞の休刊とあって連載をお休みさせて頂いた。火曜の朝刊への掲載に向けて日曜の脱稿が条件だが、テーマが決まっている時はさておき土曜の朝になってもテーマが決まらない時の精神的重圧は相当なものである。連載を休むと決めた時の解放感はサラリーマン時代の連休前を思い出した。

毎週木曜日辺りから何をテーマにしようか考え始め、テレビや新聞で情報を集め、本を読んだり、過去のメモを見直したりして、無い知恵を搾るのだがその過程はこの上ない脳トレになっている。そして思った、知恵というものはタオルや雑巾と違って搾れば搾る程湧いて来るものだと。一般には搾れば枯渇するのが普通だが、知恵はその逆で搾るのを止めると出て来なくなるものらしい。一週間休んで英気を養ったつもりが、いざ週末になって机に向かうと筆が進まないのに苦労した。一週間搾るのをさぼっただけでこの有り様だ。筋トレと同じで脳トレも毎日毎週、周期的にやらないといけないと思い知らされた。

世の中では衆議院総選挙が始まった。自民党の過半数割れが囁かれているが、石破首相の世論と党内意見への右顧左眄ぶりを見るとさもありなんと思ってしまう。ご本人は党内基盤の弱さを嘆いておられる。小泉元首相も党内基盤は強くなかった筈だが、良かれ悪しかれ自分の信念を貫いて世論を味方につけた。石破首相もやりたい事をドンとやればいいのに。

それにしても兵庫県の選挙の時にあれ程話題に上った選挙費用の問題が総選挙では全く出て来ないのはどうしてだろう。一つの県で16億とか18億とか言われたのだから全国規模ならその50倍程度はかかるだろうから単純計算だと1000億程度になる。そのお金は一体誰の懐に入るのか。景気刺激に役立て欲しいと祈るしかない。

2024年10月8日火曜日

再選する

 「これだけ不興を買いながら再選するなど、あるはずもないが」週刊新潮のある記事の中の文章である。主語が曖昧なのだが文脈からして齋藤知事であるだろう。(因みに兵庫県の齋藤知事について週刊新潮は「齋藤」と表記しているが、それ以外、例えば読売新聞も週刊文春もサンデー毎日も「斎藤」と表記している)

「当選する」なら「選に当たる」だから斎藤知事が主語で良いが、「再選する」というのは砕いて言えば「再び選ぶ」のだから、主語が兵庫県民ならともかく斎藤知事を主語にするなら「再選される」と言うべきだと思う。

最近こういうおかしな日本語が耳障りでしようがない。NHK7時のニュースでは「大雨注意情報が発令しました。」と言っていた。「発令されました」だろう。「輪島で店を再建させるため、川崎で営業しています。」は、店のオーナーが頑張っているのは「再建するため」であり、誰かに頼んで「再建させる」ためではなかろう。

「今日、授業が再開しました。」は「する」と「させる、される」の問題か助詞の使い方の問題か微妙。「授業が再開されました」か「授業を再開しました」なら分かる。「ビル解体工事現場でコンクリート片が下にいる警備員に直撃する事件が起きた」いつからこんな日本語が許されるようになったのか。どう考えても「警備員を直撃する」が正しいと思うのだが。

敬語の乱れも気になる。災害を受けた畜産業の報道で「良く乳の出る元気な牛になって頂きたい」なんてアナウンサーがいたが、牛にまで敬語を使うのは如何なものか。

単語そのものの乱の例として「ヴォリューミー」なんて言葉を聞いた。量が多い事を言いたかったらしいのだが、こんな英語はあるまいと思って英和辞書を引いたらvoluminousという言葉ならあった。あまり変な造語は聞いてて恥ずかしい。

2024年10月1日火曜日

植民地

 自民党の新総裁が決まった日に「知ってはいけない」(矢部宏治著講談社現代新書)という本を読んでしまった。この本、副題は「隠された日本支配の構造」となっていて、戦後の日本政治の問題点をあぶり出している。

その内容をごくかいつまんで言えば「独立はさせてやる。そのかわり、占領中と同じく米軍への軍事支援は続けると約束しろ」という日米の関係、いわば日本が米軍の植民地であるかのような関係が戦後ずっと続いていて、それを問題視する声がむしろアメリカの方から起きている(例えばブッシュ政権下でのライス国務長官の発言)というのだ。

フィリピンですら「米比軍事基地協定」で米軍がフィリピン国内に基地を置いて良いのは次の23か所であると具体的に明記しているのに、日本の場合は「全土基地方式」と言ってどこにでも米軍を「配備」出来る事になっている。イラクですら、アメリカとの協定で「イラクに駐留する米軍が、イラクの国境を越えて周辺国を攻撃することを禁じる」という条文を加えさせたのに、日米安保条約は米軍が日本の国境を越えて自由に軍事行動できる権利を「国内およびその周辺」という言葉の裏に認めている。と言った事例が書かれている。(先程のライス長官の発言を含め、原典を確認して裏を取らないといけませんが、そこまではしていません。しかし、おそらく本当の事でしょう。)

幕末の不平等条約が改正されたのは明治44年だった。来年で戦後80年、サンフランシスコ講和条約からでも74年になろうとしているのに、未だにそうした歪んだ関係を改善しようという動きすらない。朝鮮戦争という休火山が活火山だった頃の名残らしいが、それが死火山になっても改善されないのではないかと不安になる。日本の保守政治家は何をしているのか。