2024年10月8日火曜日

再選する

 「これだけ不興を買いながら再選するなど、あるはずもないが」週刊新潮のある記事の中の文章である。主語が曖昧なのだが文脈からして齋藤知事であるだろう。(因みに兵庫県の齋藤知事について週刊新潮は「齋藤」と表記しているが、それ以外、例えば読売新聞も週刊文春もサンデー毎日も「斎藤」と表記している)

「当選する」なら「選に当たる」だから斎藤知事が主語で良いが、「再選する」というのは砕いて言えば「再び選ぶ」のだから、主語が兵庫県民ならともかく斎藤知事を主語にするなら「再選される」と言うべきだと思う。

最近こういうおかしな日本語が耳障りでしようがない。NHK7時のニュースでは「大雨注意情報が発令しました。」と言っていた。「発令されました」だろう。「輪島で店を再建させるため、川崎で営業しています。」は、店のオーナーが頑張っているのは「再建するため」であり、誰かに頼んで「再建させる」ためではなかろう。

「今日、授業が再開しました。」は「する」と「させる、される」の問題か助詞の使い方の問題か微妙。「授業が再開されました」か「授業を再開しました」なら分かる。「ビル解体工事現場でコンクリート片が下にいる警備員に直撃する事件が起きた」いつからこんな日本語が許されるようになったのか。どう考えても「警備員を直撃する」が正しいと思うのだが。

敬語の乱れも気になる。災害を受けた畜産業の報道で「良く乳の出る元気な牛になって頂きたい」なんてアナウンサーがいたが、牛にまで敬語を使うのは如何なものか。

単語そのものの乱の例として「ヴォリューミー」なんて言葉を聞いた。量が多い事を言いたかったらしいのだが、こんな英語はあるまいと思って英和辞書を引いたらvoluminousという言葉ならあった。あまり変な造語は聞いてて恥ずかしい。

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