2025年4月15日火曜日

独裁

 「独裁」とは文字通り「独り」で「裁決」する事で、今まさにトランプ大統領はそれをやっている。関税の率を決めたり、その発効時期を遅らせたり、しなかったり。そうした事が政府の高官すら相談なしに裁決され、事後追認せざるを得ないような状況だ。

まさに独裁者と呼ぶに相応しい振る舞いだが、世界のメディアはそれを一切非難しないどころか、その対応に右往左往している様は彼の振る舞いを是としているかのようだ。もし同じ事を中国の習近平主席が行ったら、さぞかし「この独裁者め」という非難の大合唱が起きていただろう。今回それが起きないのが不思議でならない。

金儲けに人一倍関心の強いトランプ氏の事だ、自分の口先一つで株価が大きく上下する様を見て、誰か縁者を通してインサイダー取引をやりかねない。関税を高く設定する発表をする前に空売りを仕掛け、発表後に買戻し、またその関税の発動時期を遅らせる発表の前に買い込んで、発表後に売り抜けたりすれば瞬く間に一財産も二財産も出来てしまう。もしそんな事をしてそれがばれたりしたら、いくら何でもその時は弾劾されるであろう。ウォーターゲート事件以上の破廉恥さなのだから。しかし昨今の様子を見ていると、それでもなおトランプ大統領は続投するのではないかと疑いたくなる程の独裁体制である。

それにしても世界で傑出した軍事力を持つ米中露の3か国がいずれも独裁者によって支配されているのは由々しき事態だと思う。独裁体制には大胆な対策がとれて、しかもそれを素早く行動に移せるなどの長所があるが、それが危険を顧みない事につながる。合議制・分権制は逆に意思決定は遅くとも過激さを回避でき、より常識的な行動につながる。

軍事大国の独裁制は人類滅亡近しを暗示してはいないか。

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