2025年4月8日火曜日

相互関税

 「相互関税」という言葉は2025年の流行語として記憶されるのではないだろうか、などと言ったら不謹慎だろうか。ここ数日どのチャンネルを回しても「相互関税」という言葉が連呼されている。それにしてもこの件、不思議な事が多い。

まず第一にトランプ大統領が掲げた税率の一覧を示したパネルに並んだ国の順番。一番上が中国で以下EU、ベトナム、台湾、日本、韓国、タイ、スイス、と並んでいる。アジアから順に西回りに並べた訳でもなさそうだし、関税率の高い順でもなさそうだ。ベトナムが日本より上にきているところをみると貿易額の大きい順でもなさそうだし、もちろんアルファベット順でもない。税率の算定方法についてもそうだが、この並び順もトランプ政権の非論理性を象徴しているように思える。

某新聞記事を見ると、この関税措置によって2027年の世界全体のGDP0.6%下がるとの予測(アジア経済研究所の分析)があるそうだが、たった0.6%で済むのだろうか、というのも不思議だった。アメリカを除くそれ以外の国同士、互いに関税を下げて、アメリカを横目に互いの貿易を活発化し、経済を発展させるなんて要素を加味していたりするのだろうか。もし本当にそうやって、アメリカ一人がスタグフレーションに苦しむなか、他の国が一斉に自由貿易の果実を満喫して繁栄して行ったら喝采ものだが。

一番不思議なのは、この政策はトランプ大統領のコアの支持者であるアメリカ国内の低所得白人労働者の利益を願って採用されたものだと思うが、本当に彼等のためになるのか、という点である。GAFAや金融業などで高給を食んでいる人達はそんなに影響は受けないだろうが、一次産業二次産業の人達は却って苦しむ事になるように思えてならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿