江藤前農水大臣の自民党佐賀県連でのコメに関する発言は誠にみっともないものだった。しかしそれを巡って、周りでは輪を掛けたような失態が繰り返されたように思う。
一つは任命権者である石破総理の対応。どうしてあの発言が報道されて即座に更迭を決意しなかったのだろう。不信任案が可決されそうな雲行きになってからようやく重い腰を上げて解任に舵を切ったのは失態と言っても過言ではない。本能寺の変の情報を入手して即毛利と手を打ち中国大返しを実行した豊臣秀吉ならあんなグズグズした真似はしなかったに違いない。首切りを即断していれば石破総理の評価もいくらか改善に向かったであろうに、折角のチャンスを見逃してしまった。
そもそも江藤前大臣を続投させて職責を全うする力があったかどうか。備蓄米放出に到るまでの過程、競争入札を行って以後も一向に備蓄米が市場に出回らない状況等を見て、あの大臣の力量では今後事態の改善は望むべくもなかった気がする。失言よりもむしろ能力の点からも解任の時期でもあったのだ。
そしてまた、失言を追求すべき野党の対応も失態と言って良いと思った。立憲民主党の議員は国会の委員会で「あの発言のどこがウケると思ったのですか」なんて質問をしていた。失言した相手と同じ土俵で相撲を取るような質問をしてどうする。そうではなくて、今後の対応方針や具体策を問いただし、その任に適格かどうかを問題にすべきではないのか。そうした質問が出来ないのは、結局野党にも担当能力がない事を暗示しているようなものだ。
政策実行能力があって、バリバリ仕事が出来て、ちょっとした失言なんか吹き飛ばしてしまう位の馬力のある政治家はいないのか。そんな人ならあんなみっともない失言はしないだろうが。
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