国際的にはトランプ米大統領に掻きまわされた年、国内では日経平均株価が5万円を突破した年、個人的にはウィンブルドンのセンターコートで開幕戦を観た年、今年も様々な出会いがあった。例によって映画や本の世界での出会いを記す。
映画ではロンドンへ行く飛行機の中で観た「Touch」というアイスランドの映画が印象に残った。本木雅弘をはじめとする配役や被爆者の悲しみを描くというテーマから、てっきり日本映画だと思っていた。
その他、旧作の映画の中では「ペイ・フォワード」「カラー・パープル(2023年)」「天と地」が良かった。「カラー・パープル」は1985年のスティーヴン・スピルバーグ監督版よりもはるかに良かった。「天と地」ではベトナム戦争の悲劇が描かれる。あの戦争での米兵の苦悩はある意味自業自得とも言えるが、罪のない現地の少女が如何に過酷な運命に翻弄されたか、涙なしには観られない。
本は松岡正剛、川口マーン恵美、永井路子の各氏に魅せられて複数冊読んだ。その他印象に残ったのが「植物は<知性>をもっている」だった。植物の巧妙な生存戦略を学ぶ事は人間の高慢な思い上がりを反省するきっかけにもなる。
きな臭いコメントが飛び交う昨今、最後に「さよなら サイレント・ネイビー」という本に紹介されていたナチスのNO2だったヘルマン・ゲーリングの言葉を書き留めておきたい。政権中枢にいる人達にありがちな「戦争がしてみたい」という欲望に抗うためにも。
「人間集団を攻撃的にするのはいとも簡単である。自分たちが攻撃されている、と思わせれば良いのだ。そうすれば、どんな集団でもただちに攻撃的になる。」
年末年始の掲載予定ですが、30日はお休みし、年明け6日から再開します。皆様良い年をお迎え下さい。
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