アメリカの大統領選挙が佳境を迎えつつある。民主党はどうやら候補者が決まったかのようだが、共和党はまだまだ一波乱も二波乱もあるだろう。候補者の顔ぶれを見て日本との政治の仕組みの違いをしみじみと感じる。
手元にあるのは今年九月の段階での候補者リストだが、その殆どが州知事か上院議員(元も含む)だ。実業家や学者はいるが下院議員は一人もいない。日本とアメリカの議会の仕組みを単純に比較する事はできないが、議員の選ばれ方から考えると上院は日本の参議院に、下院は衆議院に相当すると思われる。日本では政治のトップに立つ人はまず間違いなく衆議院から出るのだが、この違いは何だろう。
アメリカの政治について詳しく勉強した訳ではないが、付け刃的にネットで調べたところによると、上院は州の代表的な存在で主に外交など国家としての振る舞いに関しての役割を担い、下院は輿論に敏感な人民の院として予算など国内の問題に関しての役割を担っているようだ。だとすれば国を代表する大統領にはやはり上院の議員の方が向いているのだろう。
日本の場合民衆が政治家に期待しているのが主に地元への利益還元であったりするので、下院的な役割が重視されるというのは考えすぎだろうか。
州知事が大統領へのステップとして重要な地位を占めているのも興味深い。日本で県知事が総理大臣になったのは細川さんくらいのものか。考えてみれば明治維新の政府は鹿児島県と山口県の県政府が中心となって国全体を治めた構図になっている。地方自治での経験が役立ったことだろう。その点民主党の失敗は実際に政治の舵取りをした経験がなかった事が原因と思われる。自民党に替わり得る勢力を目指す野党の皆さんには一度地方自治を経験してみるのも良いのではないだろうか。
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