2016年11月8日火曜日

三浦九段

将棋ファンならずとも最近三浦九段の名前を耳にされた方は多いのではないか。対局中、不必要に離席が多いとして、スマホソフトで次の一手を考えているのではないかとカンニングの疑いをかけられ年内の対局禁止を言い渡された人だ。
渦中の三浦九段の言い分は「別室で休憩していただけだ」との事。将棋のプロは次の一手を考える際に眼前に盤がある必要はないから(当コラム第二三三回参照)三浦九段の言い分もあながち否定は出来ない。
囲碁は盤面が広いせいか盤なしで全部を頭に入れることはプロでも難しいようだ。持ち時間のルールの違いがそれを物語っている。
プロの試合に於いては次の一手を考える時間に制限がある。それを持ち時間というが、それを使い切ると時間切れ負けになる。ただし考慮時間は一分以下は切り捨てされるため、例えば持ち時間六時間の場合に五時間59分使うと次の一手は常に一分以内に着手しなければならない。トイレに行く時間も考慮時間と同じように時計の針は止まらないが、ここで将棋と囲碁とではルールが違う。
将棋の場合、相手の考慮時間中にトイレに立った場合、相手が着手するとその瞬間に自分の考慮時間のカウントが始まる。だからそこから一分以内に帰って着手しなければ負けになってしまう。囲碁の場合は同様の場合相手が着手しても、自分が席に戻るまでは時計を止めてくれる。自分が着席してからカウントが始まるので安心してトイレに立てるというわけだ。勿論自分の手番の時にトイレに行けば時計の針は止まらないが。
将棋で囲碁と同じルールを適用すると、終盤時間が欲しい時に不必要にトイレに立つ人が出てしまうかららしい。将棋のプロはトイレに行く事にすら気を使わないといけない。三浦事件はその事を思い出させた。

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