年末年始のワイドショーは相撲の話題で持ち切りだった。日馬富士の暴行問題に端を発し、横綱の品格の問題を経て、最後は貴乃花問題になっていった。貴乃花問題はわざわざ問題にならなくても良かったようにも思うが、何かが奥底に隠れていてこれからも第二幕第三幕があるのだろうか。貴乃花親方の頑なな態度を見るとマスコミに対しても大いなる不信感を持っていて、その不信感は、かつて宮沢りえとの騒動を巡って生まれたものではないかと邪推する。
さて、年末の事だが両国の国技館に併設されている相撲博物館では「俳句・川柳にみる江戸の相撲」と題する展示があった。時が時だけに沢山の人が来ていると思ったが、国技館の外には大勢の報道関係者がいたものの案に反して館内は閑散としていた。展示の中では安来市出身の釈迦ケ嶽雲右衛門や、松江市出身の第十二代横綱陣幕久五郎の絵が目を引いたが、一番印象に残ったのは第七代横綱稲妻雷五郎が残した「相撲之伝」という相撲の心得を書いたものである。以下に引用する。()内は博物館による注釈。
「それ相撲は正直を宗とし、智仁勇の三つを心得、色酒奕のあしき経に不遊、朝夕おきふし共心手ゆるみなく、精神をはげまし、仮にもうそいつわりのこころをいましめ、なを勝負の懸引に臨んでは、聊も相手に用者(容赦)之心なく、侮どられず恐れず氣を旦然(丹田)に納め、少しも他の謀り事を思わず、押手さす手ぬき手の早き業を胸中に察して、つく息引息に随い其きよ実(虚実)をしり、勝を決するものなり」
暴行事件を受けて相撲協会では力士を集めて講習などを行っているようだが、この心得を再度徹底させたらどうか。こういう心得を書いた横綱がいた、と言うことも一向に報道されないので敢えてここにご報告する次第。
本年も宜しくお願い致します。
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