先週は他人事とは思えない出来事が二つあった。
一つは池袋で起きた交通事故。暴走車が横断する人をはねたあの交差点は私も毎月二度は通っている場所だ。車を運転していたのは例の如くにお年を召した方。テレビのコメンテーターの中には「一定の年齢以上になったら全員免許を取り上げるべきだ」などと発言する人もいたが、その人もその年齢に達したら他人事ではなくなるであろう。
もう一つは名古屋で起きた高速バスのトラブル。バスの出発時刻にわずかに遅れた乗客が発車したバスを追いかけ信号で止まった際に「乗せろ」と強要したとされる事件だ。「乗せてあげればいいじゃないか」という状況に見えたが、バス停以外の場所での乗降は法律で禁止されているそうで、それを盾に運転手は乗車をかたくなに拒んだ。
法律を犯すのは悪いことには違いない。だがすべての法律にその制定の趣旨があって、何を守るためにその法律があるのか、保護法益を考えてみれば常識的な妥当な対応が出来るはずだ。バス停以外での乗降を禁止するのは、それによって周辺の交通に支障をきたすからであって、信号待ちで停車している時に客を一人乗せる事がそんなに悪い事には思えない。その事で不幸になる人は一人もいないではないか。幸福になる人しかいなくて不幸になる人がいない事をやってはいけない理由が分からない。
そもそもバスを追いかけて捕まえられたのだから遅刻はせいぜい一分以下の事と思われる。運転手は人数を確認して予約している人が足りない事も認識していたはずだ。出発時間を少し待つ事が出来なかったのか。トイレ休憩で止まった時、たまたま便秘気味で集合時間に間に合いそうにない時、置いて行かれてしまうのだろうか。あのバスは私も良く利用する会社だった。他人事ではない。
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