2019年6月4日火曜日

トルコ


トルコは海外旅行の穴場と言っていいのではないか。

第一に安い。十日間の旅行で十万円ちょっと、国内旅行より安いくらいだ。第二に料理がうまい。中華料理、フランス料理と並んで世界三大料理の一つがトルコ料理である事をトルコに行って初めて知った。パンも日本人好みで白く柔らかい。イスラム国だがお酒も飲める。第三に親日的だ。明治中期、和歌山県沖で座礁したトルコの軍艦エルトゥールル号の乗組員を地元の住民が救った事件を契機にトルコ国民の対日感情が良くなった。イラン・イラク戦争の時の日本人救出も記憶に新しい。第四にカッパドキアの奇岩などの自然や、古代ギリシャの遺跡やキリスト教とイスラム教の融合など見どころ一杯だ。そして第五に美人が多い。ギリシャとの混血もあるのだろうが、イズミールなど美人の宝庫。私が参加したパック旅行の現地ガイド、ミューゲも可愛かった。イスタンブールのブルーモスクの前でツーショットを撮った時はにっこり笑って私の肩に頭を預けてくれ、私は思い切り鼻の下を伸ばしたのだった。
その現代トルコの礎を築いたケマル・アタチュルクがトルコに誇りと自負を取り戻すまでトルコという言葉には否定的ニュアンスがあった。第一次大戦の敗戦で崩壊したオスマン帝国は元々トルコ系の人々が樹立した国だったが、歴代スルタンは異教徒異民族を寛容に受け入れ実態は多民族国家だった。国家を支えるエリートの多くはバルカン半島出身のキリスト教徒だったそうで、彼らは田舎臭い意味合いのある「オスマン・トルコ」と呼ばれるのを嫌ったらしい。そしてヨーロッパ人は敢えてオスマン・トルコと呼んだ。だから今オスマン・トルコという言葉を使うのはそういう事情を知らない素養のない人か誠意のない人だという事になる。

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