2019年7月23日火曜日

人体

古書店で「人体のからくり」という小さな文庫本を見つけ買って読み、今までこんな事も知らずにボーッと生きてきたのかとあきれてしまった。何より大事な自分の体の事だ、義務教育段階でしっかり教えるべきではないだろうか。少なくとも被子植物だの裸子植物だのなんて事より遥かに重要だと思う。ひょっとしてこうした医学的知識を患者に持たれると医者が困るから、医師会が文部省に圧力を掛けて教えないようにしているのではなかろうかと下衆の勘ぐりまでしたくなった。
ご紹介したい事が沢山あるが、ここでは血液に関する事だけに絞って書く。
尿の元は血液である事をご存じだろうか。尿道結石をやった時知った事だが、ビールを飲んで出るオシッコも一度は血液に取り込まれた後に尿になる。心臓から送り出された血液の四分の一は腎臓に運ばれ、そこで濾過されたものが尿となって排出されている。腎臓には一分間に約一リットル、一日にすると約1.5トンの血液が送られているというから驚きだ。勿論その99%は尿にならず再吸収されて腎静脈から大静脈を経て心臓に戻っていく。
そもそも血液は体重の約十三分の一あるそうで、体重が六十五kgの人なら五リットルの血液が体内を流れている。一回の心臓の拍動で送り出される血液は七十から八十mlで、一分間に六十回から七十五回の心拍数ということは一分で五リットルの血液が送り出される。つまり血液は一分間で全量が体内を一周している事になる。ビールが尿になる速さにも納得が行く。その血液の寿命は赤血球が百日程度、白血球は二週間程度だとか、常に新しく血液を作り続けなければならない。体は生命維持のため一生懸命働いており、材料を必要としている。
食べ物の重要性を改めて思い知らされ、そして働き者の自分の体が愛おしくなった。

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