2020年3月24日火曜日

五輪モットー


開催が危ぶまれる東京五輪だが、大会のモットーなるものが発表された時の違和感が忘れられない。「United by Emotion」、「感動で、私たちは一つになる」という意味だそうだが、全くしっくり来なかった。まず「なんで英語?」という疑問、それは後で分かるとして、「一つになる」事への違和感が拭えない。
アメリカの様に民族や人種や言語の多様な人々が混在して、ややもすれば分裂してしまいそうな社会で「アメリカは一つ」という理想を掲げるのは分かるが、日本のように比較的均一な社会でこうも「一つである」事を重視するのはどうしてだろう。
ちょうどその頃NHKの「百分で名著」ではチェコの元大統領ハベルの著作を取り上げていて、二つの対照的な価値観が解説者により示された。左の四角には「統一、単一性、規律」という言葉が並び右の四角には「複数性、多様性、自身の自由の実現」等の言葉が入って、二つの四角の間には対立を示す様に両側に矢印がついた直線が描かれている。そして左の四角の上には総括する言葉として「ポスト全体主義、体制」が、右の四角の上には「個人、生」と書かれている。ハベルは勿論右の価値観の重要性を言っているし、私も左の価値観はちょっと恐ろしい。
五輪のモットーと言えば前の東京大会の時の「より速くより高くより強く」が強く耳に残っているが、それはIOCが定めた五輪全体のモットーだとか。大会モットーは英語で3~5語の短いメッセージで全世界に発信するものであるらしい。前のリオの時は「A New World」、その前のロンドンは「Inspire a Generation」だったとか。残念ながらあまり記憶にないが、今回のモットーが英語圏の人々にはどのように響くのか聞いてみたくなった。

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